STORY
あなたは、あるIから始まる街の外れで古びた本を拾いました。タイトルは擦れてはっきりとは読めませんが「……の国のAL……」と書いてあるようです。
本は誰かの手作りのもののようで、黄ばんだページとページが剥がれたりくっついたり。メモや手紙が挟まっていたり。しかもどこもかしこも落書きだらけで、読めたものじゃありません。
ビリビリパラパラカサカサと徒らにページを弄んでいると、ページとページの隙間から、一枚の紙切れがはらりと舞い落ちました。
A.LからC.Dへの手紙でしょうか……?
不自然な文字列をじっと見つめているうちに、あなたはあることに気がつきました。
「わたしをみつけて A.L」
その一文を見つけた途端。
あっという間に上も下も右も左もまっさかさまに宙返り!ウサギ穴を潜り鏡を通り抜け……何処でもない何処かの国……『追憶の国』へ、迷い込んでしまいましたとさ!
「誰が殺した ちいさなアリスを。」
「それは私とアリスがいった!」
「私のペンで 私の言葉で」
「私が殺した ちいさなアリスを!」
「誰が隠した ちいさなアリスを。」
「それもわたしとアリスがいった!」
「アリスの服と 靴を脱ぎ捨て」
「わたしは隠れた ダレかの中に」
「誰がみつける?」
「ぇえ〜?どうしよっかなぁ」
「探す人がいなけりゃ、隠れる人もいないだろうよ。」
「あきれたこと!鬼も決めずにかくれんぼとは。命じます。どなたかアリスを見つけ出すように!」
白うさぎ
「時間だ時間だ!遅刻しそうだ!どいてどいてどいてったら!……ムムム?ねぇ、ボクの時計、壊れちゃいないかな?……なんだい?君たちまるで亀に噛みつかれたみたいな顔してさ。針が無いのがなんだっていうんだ!逆さま回りの時計よりずっとましじゃないか。」
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